新しい展開のコンタクト

降下煤塵がどのような機序で瑞息症状発現に関与するかは不明であるが、ディーゼル排気ガス粒子がマウスにおいてIGE抗体産生を増強するという報告をふまえると興味深いものといえよう。
有症率は都市部において高いと述べたが、都市化要因としては大気汚染とともに居住環境の変化もまた重要である。 総務庁統計局住宅調査によれば、近年木造住宅の割合は減少し、非木造住宅(鉄筋・鉄骨)の割合が増加し、かつ非木造住宅の高層化が顕著であるという。
これらの変化は都市部において特に大きいことはいうまでもない。 住宅の非木造化、高層化はアルミサッシの普及による住宅の気密化を伴い、部屋の温・湿度の上昇や通気性の低下を生じる。
これらは室内汚染物質やダニ数の増加と密接に関連する。 さらに住宅の高層化は居住者、ことに学童の基礎体力の低下にもつながり、アレルギー増加の一因になるとされている。
アレルギーに関与する室内汚染物質としては、ホルムアルデヒド、タバコの煙、窒素酸化物、粒子状物質、炭化水素などを挙げることができる。 ホルムアルデヒドは尿素樹脂系の接着剤や断熱剤、石油の燃焼排気、タバコの煙などより発生し、刺激物質として作用する。

タバコの煙自体も刺激物質として作用し、気管支瑞息の増悪因子となるばかりでなく、IGE抗体産生を高めるとも報告されている。 窒素酸化物や粒子状物質などは大気汚染物質としても作用するが、室内では主として石油・ガスストーブ、ガスレンジなどによる燃焼から発生して刺激物質となる。
日常生活で問題となるのは長時間の曝露であり、肺機能低下を招くとの報告がある。 住宅の気密化はまたアレルゲン数の増加を引き起こす。
吸入性アレルゲンとしては室内塵とその中のダニ、ペット類の毛やふけ、カビが重要である。 ダニは室内塵中の主要アレルゲン物質であり、わが国のアレルギー疾患の代表的アレルゲンである。
前述した住宅の非木造化、高層化、気密化に伴って、室内塵中のダニの量が増加していると報告されている。 住宅の気密化が温・湿度などダニの繁殖に適した状況を作り出し、さらにカーペットの普及がこれを助長したものと考えられる。
ペットとしてはネコ、イヌ、小鳥が問題である。 住宅の高層化、集合化によりペットの屋外での飼育が困難となり、室内ペットが増加した。


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